- 第1章 独立記念日第2章 迷える子羊たち第3章 慈悲の街第4章 地上より永遠に
寄せ書き (田口ランディ)中身は読んだ人だけのお楽しみだけど、ちょっとだけ紹介しておこう。
舞台はアメリカ。
アーティストやジャンキーの住むニューヨークのイースト・ヴィレッジからはじまり、
シカゴからサウス・ダコタまで、息もつかせぬ大逃避行がくりひろげられる。
主人公は日本人アーティストであり麻薬の売人のアキラと、
キューバ出身のオカマ・スプーキー、破天荒な女子中学生エッグの3人だ。
もちろんオレの体験にもとづいた自伝小説だが、「COTTON 100%」が自伝100%だとすると、
「ケチャップ」は自伝80%。残りの20%がこの小説の魅力をにぎっている。
「世界一おもしろい小説を書いてやる!」
そうオレは決心し、とてつもないスピード感と、めくるめく驚きが連続する物語を完成させた。
作家仲間ロバート・ハリスはこんな帯を書いてくれた。この物語は地獄から天国までのローラー・コースター・トリップだ。
振り落とされないようにしっかりとつかまって
このとてつもなく面白いストーリーを堪能してほしい(帯:ロバート・ハリス)もうこれは読むドラッグである。
1行目を読んでしまったが最後、君は本を閉じられなくなる。
盟友、田口ランディさんはこんな感想を寄せてくれた。家に戻ったらケチャップが着いていた。
明日から屋久島なので、一気読みしました。
……というか、一気読みしちゃうくらい面白かった。ドライブ感がたまらないです。
ジャットコースターに乗ってるみたい。コニーアイランドみたいな遊園地に紛れこんだような、スリリングで、せつなくて、バカげてて、すごくいいです。
エッグの父親が火事で死ぬところとか、ところどころかなりぐっとくるシーンがあって、それが効いている。暴力シーンも私好みにエグくてすごくいいです。
肛門から頭を入れちゃう……って、話には聞いたことがあるけど、本当なんだ……。
エッグが子供を産むことを決意するのも、私が女だからかもしれないけど泣けたなあ。
それから、外国人がよく描けているなあ…と、劇画タッチの外国人が妙なリアリティをもってる。映画を見てるような気分になる。人相が映像で見えてくる感じ。
こういう話は私は絶対に書けないなあ、とちょっと羨ましくなった。
で、内容的にまったく文句なく傑作だと思います。 (田口ランディの寄せ書きより)AKIRA作品を読んだことのある者なら誰でも知っているが、強引に腕を引っ張られ、
異世界をいっしょに旅し、読み終わった後には、とんでもなく幸福な読後感に包まれる。
喜びも悲しみも、聖も俗も、崇高さも愚かしさもすべて内包し、
人間が愛しくて愛しくてたまらなくなる。
あらゆる常識や道徳をふっ飛ばし、君を幽閉していた牢獄を木っ端微塵に破壊してくれる。
たった1冊の本が君を自由にするんだ。
生きづらさをかかえる者も、
本当の自分を探している者も、日常に物足りなさを感じている者も、
クリニックやカウンセラーやヒーラーに何万円も払うより、
1600円の「ケチャップ」を買いなさい。 - 3ヶ月ごとに出るこの雑誌「paperback」(SWITCH別冊)にオレは「ケチャップ」という最新小説を連載。エッセイの連載はあったが、小説の連載ははじめてだ。オレも「COTTON100%」では書ききれなかったジャンキー時代の生活を清算せねばと思っていたので、打てば響く鐘のごとく「ケチャップ」に没入した。
最初はほとんどノンフィクションでいくはずだったのに、どんどん物語の亡霊がオレを引っぱりまわし、とんでもない方向に連れていかれる。
運命にしろ創作にしろ、コツはひとつ。
自我とかに縛られて逆らったりせず、いっしょに遊ぶことだ。
物語の亡霊は、いつもいつも「僕の話を聞いて」「あたしのことを書いてよ」と、みんなに語りかけてるのに、いつも無視されて悲しい思いばっかりするらしい。
気がつくけばいつも、 自分では予想だにしなかった作品が「誰か」によって創られている。 - ケチャップ晶文社より 1,600円2012年8月3日発売
- 「ケチャップ」 みなさまからのご感想
- ライブに参加すると「COTTON100%」「ケチャップ」「アジアに落ちる」「神の肉テオナナカトル」をサインつきで購入できます。